総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

118. 海外 男性 医師8年目

出身大学はどこですか?
琉球大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
沖縄県立中部病院


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
島医者養成プログラム(総合診療プログラム)


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
研修場所:基幹総合病院、協力総合病院 
研修内容:専攻医2年目から離島診療所で自立して勤務できるために全診療科を網羅的に学ぶ


専攻医2年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
研修場所:離島診療所
研修内容:島内唯一の医師として島内の健康管理を行う


専攻医3年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
研修場所:離島診療所
研修内容:専攻医2年目に引き続き、島内唯一の医師として島内の健康管理を行う


それ以降の勤務場所、勤務内容を教えてください。

神奈川県内の家庭医クリニックで在宅診療、東京都内の慢性期病棟で病棟管理


現在の勤務先と、勤務内容について教えてください。
海外(オランダ)にて修士課程に進学中:高齢者の医療を軸に終末期医療の在り方(安楽死の議論も含む)や健康観の在り方(ポジティヴヘルスなど)について研究中


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
医大生の頃、へき地診療実習で沖縄県のある集落の診療所で実習をした時


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
総合診療医の医療に捉われない、幅広い視点からの「病だけではなく人を診る」姿勢と自分の理想とする医師像が合致したため


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
主に周囲の人(大学の先輩、同級生)や県外で病院見学や勉強会セミナーなどで知り合った同級生や先輩医学生などの話を元に主に情報収集した


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
とりわけ、離島診療所で自立して働きたいという希望があったためそれが叶うプログラムを元に選択


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。また、不安がその後どうなったのか教えてください。
自分がなりたい医師像がそこにある!という思いがあり、特に心配事はありませんでした


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
人を診ることの深さ、難しさ、そして楽しさを学んだ、そして今後の医師としての診療姿勢にも非常に影響を受けています


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
総合診療医であるが故に医療に止まらない社会的な面を含めた全人的なサポートを患者さんに提供する一方で、医師としての専門性(アイデンティティ)をどう自分の中で確立、定義させるか悩んだ時期がありましたが、その全人的なサポートこそが専門、むしろあまり「専門」という言葉に捉われないようにしようという心情になり、乗り越えられるようになりました


ワークライフバランスについてのお考えや、何か工夫されていることがあれば教えてください。
自分がやりたい、挑戦したいことに「素直」になること、やらない後悔よりやる後悔をとること


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
現在:安楽死や健康観についての研究
今後の目標:日蘭両方での家庭医として働くこと、日本における死に関わる議論の脱タブー化や健康にまつわる自主的な意思決定の普及について貢献したいです


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
少しでも家庭医療に興味を持ったらその世界に飛び込んでみて下さい。その先にあるのは「無限大」の医療の本質だと思います