総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

89.島根 女性 医師16年目

出身大学はどこですか?
日本医科大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
地域医療振興協会


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
現所属 浜田市地域包括ケア総合診療専門医コース

卒業 地域医療のススメ(地域医療振興協会


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
地域医療振興協会 市立恵那病院 

・内科中心にコモンディジーズ対応能力を磨く

・はじめての「主治医」、チーム医療

・病棟、外来、医師一人当直


専攻医2年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
1年目の続きです


専攻医3年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
地域医療振興協会 湯沢町保健医療センター

・小病院(診療所)研修

・病棟、外来、訪問診療、学校医、チームが広がる


それ以降の勤務場所、勤務内容を教えてください。
浜田市国保診療所連合体 診療所での外来

・訪問診療の他、浜田市の保健

・医療・福祉・介護等に関係する行政の仕事、人材育成等


現在の勤務先と、勤務内容について教えてください。
浜田市国保診療所連合体 2年前から診療所所長をしています。


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
大学5年時たまたまへき地診療所(名郷直樹先生)で実習し、へき地診療所の仕事に魅力を感じました。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
地域医療振興協会での初期研修の中で、へき地(後藤忠雄先生)での3ヶ月の地域医療研修が仕事、生活とも楽しかったので、地域医療のススメに進みました。


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
初期研修から地域医療振興協会にお世話になり、そのまま専攻医に進みました。


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
「地域全体をケアするへき地の医師」を目指していました。ロールモデルがおり、そのような医師を育てようとしていた地域医療のススメを選びました。


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。また、不安がその後どうなったのか教えてください。
他の科と比べて総合診療を選択する不安は特にありませんでした。「地域全体をケアするへき地の医師」になりたかったし、実践しているロールモデルもいたからだと思います。 専攻医の途中で妊娠、出産、育児となりました。妊娠した途端に体調が悪くなり、仕事も研修も中断、医者に戻れるのか不安でした。復帰してからはゆっくりキャリアを重ね、6年かかって3年分の専攻医研修を終えました。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
患者さんまるごと、家族まるごと、地域まるごと担当できることです。


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
家庭(妊娠、出産、育児)と仕事の両立は苦手なので、そのときそのときの家庭の状況で、できる範囲の仕事をし、ゆっくりキャリアを積み重ねていっています。 


ワークライフバランスについてのお考えや、何か工夫されていることがあれば教えてください。
完全に休んだり、パートになったり、フルタイムになったり。そのときそのときの家庭の状況で、できる範囲の仕事をし、ゆっくりキャリアを積み重ねていっています。 夫も同じ総合診療医で、私がフルタイム勤務が必要な期間は夫が主夫をしたり。 今は小学生のこども達が家に帰る夕方には私か夫のどちらかが家に居られるように勤務を組んでいただいています。 2年前から短時間正職員(通常の3/5)で診療所長をしています。


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
診療所長になり、目標としてきた地域全体を診る仕事が始まりました。地域の医療、介護、福祉等に関して住民・行政・診療所で一緒に考える会が立ち上がり、より一層真摯に地域と向き合っていこうと思っています。


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
だれでも家庭医、総合診療医になれます、その道は整っています。プログラムに入って3年分の研修を行えば、家庭医、総合診療医の態度、知識、技能とも身につきます。「やってみたい」と思われたら、ぜひ家庭医、総合診療医のプログラムに飛び込んでください!