総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

46.奈良 男性 医師8年目

出身大学はどこですか?
自治医科大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
奈良県総合医療センター臨床研修後、3年目から家庭医療専門プログラムへ進みました。


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
南奈良総合医療センター 総合診療専門研修プログラム


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
南奈良総合医療センターに相当する病院で、ERや病棟管理など1年間で基礎を学びました (正確には、再編前だったので、「県立五條病院」でした)


専攻医2年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
南奈良総合医療センターに相当する病院で、総合診療に加え、在宅や内視鏡、整形、皮膚など診療所で必要なスキルを学びました。同時に、家庭医学の基礎を学びました。奈良県内の診療所を回る研修も始まりました。


専攻医3年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
五條市立大塔診療所の所長として、地域に根差して「村の健康を守る」仕事に従事していました。同時に、南奈良総合医療センターでの研修も引き続き行いました。


それ以降現在までの勤務場所、勤務内容を教えてください。指導医の先生はこれまでのキャリアの変遷について教えてください。
南奈良総合医療センターでさらに総合診療/家庭医療学の研鑽を積んだのち、現在は自治医科大学の義務年限として野迫川村国保診療所の所長として働いています。現在はビジネススクールにも通っていますが、総合診療/家庭医療との相乗効果を感じながら楽しく学んでいます。


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
学生時代にニューヨークへ短期留学した際、アテンディングとして診療所と病院の両方で活躍されている桑間雄一郎先生に出会ったことをきっかけに興味を持ちました。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
研修医時代に志水太郎先生と出会い、総合診療医になろうと思いました。 その後、佐藤健太先生の診察を見学させていただき、家庭医療学にもハマりました。


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
いろいろな勉強会に顔を出し、「この人に教わりたい!」という先生の病院に見学に行かせてもらいました。義務年限の都合で病院は自由に選択できませんでしたが、南奈良総合医療センターの事前見学で雰囲気の良さを感じ、実際に入職したのちも指導医の先生方に恵まれて充実した日々を過ごすことができました。


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
進路選択として、ロールモデル/メンターの先生方に沢山相談させていただきました。


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。
そもそも、総合診療とは何か、家庭医療学とは何か、という点が見えにくかった点です。(当時はまだ総合診療/家庭医療がそこまでクローズアップされていなかったように思います。学生さんや研修医さんから見れば、制度面はまだまだ見通しがつきづらいと思いますが、全国に総合診療を実践されている素晴らしいロールモデルが沢山います。そして、容易にコンタクトを取ることができます!)


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
自分の理想的な医療を提供されている先生方に出会えたことです。理論やスキルや態度や心意気を学べたので、目の前のニーズから逃げずに真摯に向き合えることが出来ているので幸せです。忙しい中でもチームでワイワイできるのもよいところです。


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
困難な事例に遭遇したときは、ロールモデルに相談したり、チームで話し合ったりして乗り越えています。専門医取得に際しては、総合診療医/家庭医として実際に活躍されている先生方の診療を実際に見せていただくことで、総合診療医とは/家庭医とは何かを肌で感じることが出来た点が役立ったと思います。


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
今は、若手医師向けの「病状説明の方法論」の言語化に力を入れています。今後は、「卓越した総合診療医」の診療内容を言語化することと、MBA修得の過程で学んだことを活かして臨床現場のフローを再構築し、日本中の臨床現場に笑顔と納得を届けることにチャレンジしたいと思っています。


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
少しでも興味をお持ちのかたは、是非、実際の現場を見学に行ってください。日本全国、多数の素晴らしい先生方がいらっしゃいます。現場を見れば、総合診療の魅力をダイレクトに感じていただけると思います。総合診療/家庭医療はやりがいに満ちた領域です。皆さんと一緒に働けるのを楽しみにしています。

 

質疑応答

MBA取得について

①どのように通っているのですか?
私は週末に大学院に通うことで、国際認証のある正式なMBAを取得できる名古屋商科大学の大阪校に通っています。


②どうしてMBAを取得しようと思われたのですか?
もともと部活で部長などをしており、チームビルディングやリーダーシップに興味がありました。ロールモデルである志水先生からアドバイスいただき、取得することにしました。授業は本当に大変ですが、経営学と総合診療の考え方とは親和性が高く、入学して大正解でした。