総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

73.東京 男性 医師28年目

出身大学はどこですか?
奈良県立医科大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
天理よろづ相談所病院


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
天理よろづ相談所病院総合内科後期研修


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
6カ月神経内科、6カ月血液内科


専攻医2年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
6カ月消化器内科、6カ月循環器内科


専攻医3年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
6カ月内分泌内科、6カ月呼吸器内科


それ以降の勤務場所、勤務内容を教えてください。
総合内科医として、週1回総合外来、その他総合病棟での初期研修医指導


現在の勤務先と、勤務内容について教えてください。
東京大学医学系研究科医学教育国際研究センター医学教育国際協力学部門にて国際協力、多職種連携教育関連の研究、非常勤での病院外来、診療所外来、訪問診療をそれぞれ週1回ずつ。


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
学生時代(1986年?)に家庭医構想に関する新聞記事を読んだこと、兄が自分が後に進んだ天理よろづ相談所病院の総合内科研修を受けていたこと


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
奈良県南部山間地域の無医村で働きたいという意識が最初。その後、総合内科がそういう医師になるためのプログラムとして唯一かとそのときは思っていた。しかし、1996年北海道家庭医療センターが出来て、自分が内科医、病院総合医であると認識し、家庭医になるための勉強は自分で積み上げなければならないと感じた。


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
あまり情報収集せず、天理よろづ相談所病院が地元にあったことから進んだに近い。


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
1人1人の患者にどのように向き合っているかについて、カンファレンスでのやり取りなどを見て納得がいくかどうか。


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。また、不安がその後どうなったのか教えてください。
臨床医としての専門性をどのように身に着けるか、専門医制度などにどのように絡むことで、他の医師や一般の人たちにどう見てもらえるか。内科専門医を取得したが、それと自分が目指した家庭医とのギャップをどのように埋めればよいか。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
友人や家族を含め、いろんな健康問題に困っている人たちの大抵の問題に対応できること、関心を持てること。臨床医としてのあり方を議論するための様々な理論や原則を基に、医療全体に関する議論ができること。


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
認定内科専門医(のちに総合内科専門医と改称)は取得したものの、総合診療医、家庭医としての自分の専門性を専門医に結び付けることができなかった。2000~2005年は留学や海外勤務により臨床医として働けない期間が多く、その後も国際協力事業によって継続した診療が難しかったことで、その時々における専門医取得に必要な臨床経験ができなかったことによる。しかし、臨床に関連した研究を行うなど、可能な限りそういった経歴を続けることにこだわったことが、今になって乗り越えられたという気持ちにつながっている。 


ワークライフバランスについてのお考えや、何か工夫されていることがあれば教えてください。
特別な考えはなく、その時々を乗り切ってきた感じ。


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
死にまつわる診療をどう改善していくかに関する理論化、厚生労働研究として関わっている医療・介護・保健をまたぐ共通基礎課程の実装


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
どういう形でも、自分の大きな目標を維持し、全力を尽くしていくこと、仲間との関係を大事にすることを続ければ、きっと未来が拓けます!