総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

96.岡山 男性 医師3年目

出身大学はどこですか?
岡山大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
岡山協立病院


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
岡山総合診療専門医コース


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
大学病院 総合内科・総合診療科での病棟研修 1年間


専攻医2年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
市中病院 内科ローテーション8ヶ月+救急3ヶ月+産婦人科1ヶ月


専攻医3年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
中小規模病院での地域医療研修 6ヶ月+ 小児科3ヶ月+内科3ヶ月


それ以降の勤務場所、勤務内容を教えてください。
診療所研修 1〜2年間


現在の勤務先と、勤務内容について教えてください。
岡山大学病院 総合内科・総合診療科 で 病棟業務が中心です


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
元々地域医療に興味があったので、初期研修は地域の中規模病院を選択しました。総合内科を志望していたのですが、初期研修が始まったときにはまだ総合診療についてあまり良くわかっていなかったです。内科研修をおこなっていた中、指導医が実践している医療が内科という枠組みだけでは説明ができず、あとからこれが総合診療というものなのだと知りました。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
その人の病気だけでなく、よりよく生きていくにはどうしたらよいか、サポートすることができるのは総合診療だと感じたからです。また、地域にもアプローチすることで、より広い視野で医療に携わることができると思ったからです。


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
総合診療を実践されている先生方のもとに足を運び、直接情報収集をおこないました。インターネットで病院を検索してみたり、本を出版されている先生のもとに足を運びました。


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
これまでに家庭医療・総合診療研修施設として実績のあるプログラムを選択しました。経験のある指導医の有無は直接研修内容に影響してくると感じておりました。特にポートフォリオ指導など、家庭医療のコアスキルに関して専門性を持って指導してもらえるプログラムかどうか、考えて選択しました。


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。また、不安がその後どうなったのか教えてください。
日本専門医機構が描いている総合診療像について。現時点では、ただ総合診療医の数を増やして、その質は担保できていないような研修要項になっているような気がします。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
患者さん自身に興味をもって診療できていることです。疾患の発症や経過にはその人のこれまでのライフコースが関係していたりすることが多く、もちろん総合診療に限ったことではないですが、そこに興味を持って、そしてそれを知ることで診療に実際に活用することができるんだと実感を持って、診療できていることが楽しいです。また、自分自身が医療の枠を超えて人として成長できる機会を得られていることが、いい意味で予想外でした。


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
専門医をとることだけに関していえば、あまり障壁はありません。専門医になったあとに関しては、どこでどのように働くかによって、障壁が高いのか低いのか、変わってくるように思います。


ワークライフバランスについてのお考えや、何か工夫されていることがあれば教えてください。
自分のプライベートがある程度確保されていないと自分に余裕が持てず、ひいては患者さんにも余裕を持って接することができないので、意識してプライベートを確保しています。


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
現在大学院に通いながら、いくつかの研究を進めています。その中で、質的研究の手法を学んでいるため、自分がプライマリ・ケアの現場で活動することになっても、研究を継続していきたいと思っています。 総合診療を学んでいると、医学以外の様々な分野との関連性の高さを身にしみて感じます。現在は、心理学や行動経済学、教育設計や成人学習に関して興味があります。また、スティグマや健康の社会的決定要因(SDH)に関しても興味があります。すべて総合診療と関連があります。


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
よく、「ロールモデルがまわりにいない」と言われるのですが、実はすでにロールモデルはたくさんいます。ただ、それば見えにくかったり、実際に会えていないだけかもしれません。ぜひ自分の意思で、ロールモデルを探しにいってみてください。そして可能であれば、直接話をきくことがベストです。総合診療を実践している先生方は、教え好きな先生が多いです。なによりも自分自身が人として成長できる総合診療を、ぜひ専攻してみてください。