総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

108.高知 男性 医師42年目

出身大学はどこですか?
川崎医科大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
米国海軍病院、八尾徳洲会病院


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
卒業プログラム:ミネソタ大学地域家庭医療科

現在:高知大学医学部家庭医療学講座


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
米国ミネソタ州ミネアポリス、内科4ヶ月、外科2ヶ月、小児科2カ月、産婦人科2カ月、整形1カ月、エレクティブ1カ月、家庭医療科週2回で1年間。


専攻医2年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
米国ミネソタ州ミネアポリス。家庭医療科週3回で1年間、整形1ヶ月、皮膚科1カ月、耳鼻科2週間、眼科2週間、救急2ヶ月、在宅1ヶ月、家庭医療科4ヶ月、エレクティブ2ヶ月


専攻医3年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
米国ミネソタ州ミネアポリス。家庭医療科週5回で1年間、在宅1カ月、婦人科1ヶ月、ハイリスク産科1ヶ月、神経科2週間、精神科2週間、救急2ヶ月、在宅1ヶ月、家庭医療科4ヶ月、エレクティブ1ヶ月


それ以降の勤務場所、勤務内容を教えてください。
米国ミネソタ州ロックフォード・バッファロー家庭医療センター:家庭医療専門医として開業

米国ミシガン大学家庭医学科:臨床助教授、家庭医療日本人診療所副所長

仏国パリアメリカ病院:日本人診療部長

静岡家庭医養成プログラム、森町家庭医療クリニック所長:診療、専攻医教育

徳洲会地域家庭医療総合センター所長・研修プログラム長:診療、指導


現在の勤務先と、勤務内容について教えてください。
高知大学医学部家庭医療学講座:土佐山僻地診療所診療、学生教育


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
海外には日本風な総合診療医はいない! 学生の頃ロサンジェルスで実習したとき初めて家庭医療専門医の存在とその仕事を知った。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
全科に対応できる面白さ。人間関係を重視しその背景を考慮した医療がおもしろいと思った。分娩介助や小児検診、メンタルヘルスなど幅広い医療に関われることが魅力。


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
できる限り地域に根ざした、ロールモデルとなる家庭医のいるプログラムを選ぼうとパンフレットなど調べた。


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
尊敬できる家庭医のロールモデルの存在。地域での医療活動をしているか。どれだけプログラムが小児医療、ウィメンズヘルスに熱を注いでいるか。


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。また、不安がその後どうなったのか教えてください。
幅広い知識技術の維持に不安があったが、毎日の実際の診療の幅を広げておくことで様々な知識技術が維持できることがわかった。普段の診療幅を制限しないこと。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
子供から老人まで様々な患者さんの人生に関われ、出産にも関われ、医師として絶大なるやりがいと満足感が得られる。これは幅広くやればやるほど得られる。特に出産や小児医療。


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
専門医資格維持のための試験勉強をする時間がないこと。


ワークライフバランスについてのお考えや、何か工夫されていることがあれば教えてください。
グループ診療することで個人の仕事負担を軽減することが最も重要。そうすることで家族とのQOLを保てる。無理はせずに長く続けること。


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
グローバルヘルスにおける文化理解に基づく医療と海外援助。家庭医はグローバルヘルスの実践においては最適である。


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
病院総合内科に惑わされず、しっかりと全科の医療知識と技術を身につけ、最も役に立つ家庭医になってほしい。視野を日本だけにとどめず広く世界を見て医療を行うこと。