総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

52.宮城 女性 医師7年目

出身大学はどこですか?
秋田大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
岩手県立中央病院


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
みちのく家庭医療・総合診療研修プログラム


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
岩手県立中央病院で一人目の専攻医として研修を開始しました。総合診療科研修を半年、内科研修として呼吸器科4ヶ月、血液内科と神経内科を1ヶ月ずつ(初期研修で学べなかった分野などとの兼ね合いや地域に行ったときに専門の先生から学ぶ機会が少なそうなもので選びました。ちなみに総診は内分泌代謝も兼ねてました)、選択研修として耳鼻咽喉科1ヶ月


専攻医2年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
引き続き岩手県立中央病院で小児科を4ヶ月研修した後、宮城県のみちのくプログラムに移りました。 移ってからは総合病院で総合診療科を病棟中心(外来や救急対応も含む)に半年研修しました。


専攻医3年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
救急科3ヶ月の研修後に、松島海岸診療所で研修を開始。診療所勤務希望がもともとあったので、その後の研修期間いっぱい、1年8ヶ月研修させてもらいました。


それ以降現在までの勤務場所、勤務内容を教えてください。指導医の先生はこれまでのキャリアの変遷について教えてください。
診療所研修での経験から、在宅緩和の知識をつけたいと考え、7年目で総合病院に戻り緩和ケア科と在宅科を3ヶ月ずつ研修させてもらいました。専門医試験を受け、その後、産休に入ってから指導医認定をしていただいています。


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
高校生の時、新聞記事で家庭医のことを知りました。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
当時は直感で「いいな」と思ったのですが、後付けで考えると、 当時から病院があまり好きではなく(笑)病気にならなくて済むならそのほうがいいと思っていたので、病気になる前、もしくは軽症なうちからアプローチできることに魅力を感じたことと、気軽に体のことを相談できる人が身近にいたらいいだろうなと感じたからでしょうか。


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
学生の頃は知り合いもいなかったので、勤務する可能性がある地域のプログラム(地元の近くや、東北地域)と、全国的に有名そうなプログラムをインターネットなどで調べて見学を申し込みました。


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
憧れのプログラムもたくさんありましたが、将来働く可能性が高い地域で専攻医第一号になってみることを選びました。事前に見学に行った有名プログラムの先生たちから研修内容などを教えてもらったり、プログラム外からのサポートがあったことも第一号になる上での後押しになりました。 その後、診療所研修と家庭医療のコア部分を学ぶために宮城のみちのくプログラムに移りました。


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。
学生の時は、それじゃたべていけないと言われてました笑 面白そうだなと思っても、周りの人たちに総合診療医とは何かをうまく説明できなかったことが漠然と不安でした。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
どんなことでも臨床に生かせること。研修を通じて自分が興味を持ったことを医療の枠に縛られずに取り組める下地を作れること。


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
専門医を取るにあたって、当初は身近に同じ目標を持つ仲間がおらず、加えて自分が何を学んでいるのか言語化できなかったので、このままでいいのか悩みました。 外部の先生方の継続したサポートをいただいたことと、プログラムを移って勉強を続けたことでそのあたりも徐々に理解することができたと思います。 教育体制が整っている研修プログラムへ移る決断ができたのも、セミナーなどを通じてプログラム外での繋がりができいたことが大きかったと思います。


ワークライフバランスについてのお考えや、何か工夫されていることがあれば教えてください。
頑張ってる先生や地域に貢献している先生方は上を見ればキリがないので、まずは「自分がいないよりは、0.1でも地域にとってプラスになるように働く」ように心がけています。今後働く場所も医療者が少ない地域ですが、楽しそうに働いている人のところに人は集まると思ってるので、そのあたりも意識して地道にやって行きたいと思っています(^^)


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
専門職が少ないところで、いかに地域の力を借りて持続可能な医療を提供するのかが目下の課題です。 コミュニティとの関わり方や、地域のしまい方、IT活用も勉強して行きたいなと思っています。


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
自分でやりたいことを探しながら、深めていける懐の深い分野だと思います。やってみたいと思ったら、とりあえず飛び込んでみても損はないと思います(^_^*)