総合診療医 キャリアの軌跡

総合診療医がどこで何をしているか、どのようなキャリアを歩んできたかを一覧で示すことで、学生や医師のキャリアを考える助けになることを目指しています。変更や削除の希望、ご意見・ご感想は記事にコメントをお願いします。

79.福島 男性 医師17年目

出身大学はどこですか?
福島県立医科大学


初期研修はどこの病院でしたか。また、初期研修のあと専攻医になるまでの経歴があれば教えてください。
初期研修必修化直前の世代です。専攻医になっていないのでこれまでの経歴を記載します。 みさと健和病院→福島県立医科大学小児科学講座→福島県立医科大学大学院(公衆衛生学)→福島県立医科大学地域・家庭医療学講座→大原綜合病院


所属、または卒業プログラム名を教えてください。卒業と現所属のPGが異なる場合、両方お書きください。現所属PGでトップページに振り分けます。
現在所属プログラムが二つあります。大原総合病院ジェネラリスト養成プログラムと福島県立医科大学家庭医療学専門医コース


専攻医1年目の研修場所、研修内容(期間・目的など)を教えてください。
家庭医療学専攻コースは修了していません。


それ以降の勤務場所、勤務内容を教えてください。
小児科専門医取得後は福島県立医科大学大学院で公衆衛生学を専攻。医学博士取得後に福島県立医科大学地域・家庭医療学講座で指導医として勤務。その後現在の大原綜合病院で総合診療科立ち上げに従事し、現在は初期研修のプログラム責任者も兼任。


現在の勤務先と、勤務内容について教えてください。
大原綜合病院にて救急外来と病棟診療と感染管理業務と研修医教育に従事


初めて総合診療医に会った、総合診療医のことを知ったのはどんな時でしたか?
自宅近くで開業されていた小児科の医師です。家族全員具合が悪くなるとその医師に診てもらっていました。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修しようと思った理由、総合診療医になろうと思った理由を教えてください。
もともとが「〜科の医者」ではなく、漠然と「医者」になりたいという思いがありました。学生時代、どの専門診療科もとても魅力的でしたが、まず困った人がいたら診てあげられる医者、という観点からはどの診療科もちょっと違うという思いが強かったです。正直、今の自分も「医者」であって、「総合診療医」とはあまり強く思っていません。


プログラムや勤務病院選びの際にはどのように情報収集しましたか?
当時はあまり情報がありませんでした。現在は絶版のようですが、医学書院出版の「初期プライマリケア研修」という本を参考にしました。現在も大事にとっています。


進路選択で重視したポイントや、プログラムを選択したポイントは何でしたか?
ワクワク感。


専攻医、総合診療医になる前に、心配だったことがあれば教えてください。また、不安がその後どうなったのか教えてください。
周囲の人と同じ道を行くほうが不安を感じてしまうような性格でもあるので、特に不安はありませんでした。


家庭医療(総合診療)専門医研修を履修してよかったこと、総合診療をやっていてよかったことを教えてください。
基本的に何をしてもいいところ。診療場所(病院・診療所・在宅)にとらわれず、手技・診療も小児から大人まで、自分のできることなら何をしても良く、行政とも関わり地域ケアも行うことができるところ。現在は総合病院で働いていますが、病院内部の動きがかなりしっかりと見えて、強みや弱みも把握できることもとても面白いです。


専門医を取るに当たって、あるいは総合診療医として働いていてどのような障壁があります(した)か。また、それをどう乗り越えたか教えてください。
他の専門診療科の先生の視線。乗り越えたかどうか分かりませんが、視線を気にしないようにして目の前の仕事をしっかりすることを意識しています。


ワークライフバランスについてのお考えや、何か工夫されていることがあれば教えてください。
朝が一番集中力があるので、朝早く起きて仕事をして、年齢とともに夜は集中力がなくなるようになってきたので早く帰って家族と接するようにしています。


今、力を入れていることや、今後やりたいこと、興味のある分野について教えてください。
福島県総合医はまだ未開の地に近いので、総合診療医でも、総合診療医でなくても、まずはジェネラルな思いがある医師がしっかりと活躍できる場をつくり、継続維持できるようにすること。その上で、各専門医の先生、病院職員とうまく連携して、さらには学生・研修医も上手に絡んで病院として地域に必要とされる医療を提供できるようにすること。


家庭医療(総合診療)を志す学生や医師にメッセージや今後の意気込みなど一言お願いします。
どの診療科も可能性は無限ですが、総合医が最も「多方面」に可能性が広がっている診療科と思います。なんなら医療から離れてもいいくらいの寛容さがあります。また、総合診療専門研修プログラムそのものが広い視野を持たせるプログラムなので、医療全体を俯瞰できるようになるため、診療所はもちろん、総合病院・行政で管理業務的に働くとしてもとても向いていると思います